食物アレルギーのため、
家族一緒に
同じカレーを
食べることができない
ご家庭の願いを叶えたい。

食物アレルギーを理由に、家族一緒に同じカレーを食べることができないご家庭の願いを叶えるため、構想10年・500を超える試作を経て生み出された特定原材料7品目不使用シリーズ「バーモントカレー」。

そのおいしさをさらに高め、より良い製品に改良していくためのミッションに取り組んだ2人の社員に、開発の日々を振り返ってもらいました。

特定原材料
7品目とは

小麦・乳・卵・ピーナッツ・そば・えび・かに―。これら7つの原材料は、特にアレルギーを起こしやすいとされる食品の中でも、発症数や重篤度から考えて表示する必要が高いものとしてパッケージ表示が義務化された原材料です。ハウス食品では、一目で特定原材料7品目不使用とわかるようにパッケージのアイコンやカラーリングにも配慮した工夫を行っています。

INNOVATION MEMBER

特定原材料7品目を使わず、おなじみのバーモントカレーの味わいをお届けするのが開発当初からの製品コンセプトです。今回のミッションは、既に市場で販売している製品を改良するために、研究所のメンバーと連携しながらリニューアルを進めていくことでした。製品企画側の視点としては、味覚の改良はもちろんのこと、パッケージでも、「彩り野菜のキーマカレー」や「バターを使わないバターチキン風カレー」などのアレンジメニューを掲載する事で、お客様にこの製品を通じて楽しい食卓を囲んで頂けるような工夫を施しました。

味覚改良においては、お客様が感じる“バーモントらしさ”を保ちつつ、さらに味のクオリティを上げるという、なかなかハードルの高いチャレンジだったと思います。

お客様が料理した時に“バーモントらしさ”を感じられる味になっているか、そこが味覚面としてのゴール。試食の際は、お客様と同じように料理をして、様々なメンバーの意見も聞きながら議論を繰り返しました。

製品開発側としては、軽木さんから伝えられた味のイメージをピンポイントで再現するのは不可能なので、いくつか選択肢がある中で、複数の味覚の方向性をつくってみて、その中から自身がおいしいと思えるものを何点か提案し、どの方向性が近いかを議論しながら、徐々に絞り込んでいきました。

設計上難しい味覚の方向性であっても、お客様が感じる“バーモントらしさ”を追求するには、久下さんに「もう一声!」とたびたびお願いしていました(笑)。でも、絶対に嫌な顔をせず、最後には必ず「やりますか!」と前向きに取り組んでくれる。それにはとても感謝しています。

軽木さんは、いろいろな部署に連絡を入れて仕事がスムーズに行くよう手配してくれるなど、とにかく気が回る。コミュニケーション能力が高いし、乗せ上手です(笑)。

バーモントカレーは複合的な味で、いろいろな原料の組み合わせで“バーモントらしさ”を作り出しています。同じ原料でも配合の比率を変えればバランスが崩れるし、何かを減らすと当然、味が足りなくなります。アレルゲンを含む原料を使わず、いかにおいしくするか。アレルギーの原因となり得るタンパク質は重要な旨味でもあるので、これらを使わずにおいしさを追求するのは難易度が高かったですね。小麦や乳は使わないけれども、「小麦のような風味」「乳のような風味」を出すには何を加えるか。通常の製品なら、既存の原料で構成しますが、今回は原料を探して作り出すところから。まず他製品に携わる人たちに相談して使用できる原料リストを作成し、原料メーカーの協力で専用の原料を作りました。

工場で生産できるかどうかという点も大変でしたね。

良い仕立ての味を作っても、工場で生産する際に望むものが再現できなければ意味がありません。生産に際して、その味が本当に再現できるのか。その精度を工場側と突き詰めていく作業も必要でした。

今回の味覚の改良は、構想も含めて1年以上かかっています。お客様からの貴重なご意見をもとに、どうしたらより良いものをお届けできるか、メンバーで何度も議論を重ねてきました。食物アレルギーの方へのヒアリングで、「食物アレルギー対応食があるだけでうれしい」「アレルギー対応食においしさまでは求めていない」と言われる方もいらっしゃいます。そんな方々に、もっとおいしいカレーを食べてほしい、家族みんなで同じものを食べて笑顔になってほしいという思いが根底にありました。その意味では、今回はとても大きな意義のあるプロジェクトだと思います。

製品開発としては、ここで磨き上げた技術をベースに、いろいろな製品に応用していきたい。今特定原材料7品目不使用シリーズはカレー、シチュー、ハヤシライスで4品目で展開していますが、煮込み料理だけではなく、今回の技術と既存の技術を結びつけて、新しい製品にできないか。いろいろな可能性はあると思います。

アレルゲン対応食品分野の第1人者といわれるメーカーになっていきたいですね。アレルゲン対応といえば、ハウス食品。そこまで行くのが大きな夢です。