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PROJECT2

加工食品メーカーのトップブランドが、自ら生み出した”セカンド・ブレイクスルー”とは。

宴会シーズンに、たくさんの人が愛飲している『ウコンの力』。
カレーやシチューのルウで知られたハウス食品のイメージからは大きくかけ離れた商品のように思えるが、『ウコンの力』はハウス食品の商品なのだ。
ウコンは英語でターメリック、そしてターメリックはカレーに欠かせない香辛料。つまり良く考えてみれば、ハウス食品がウコンを使用した大ヒット商品を発売することが出来たことは偶然ではなく、むしろハウス食品だからこそ可能だったことだと言える。
しかし、その背景には関わった社員の葛藤・情熱・こだわり・喜びがあり、ハウス食品がその地位に安住することなく果敢に取り組んだ、挑戦のストーリーがあったのだ。
ウコンの力
PHASE

2003年より、開発担当となった相馬がはじめて手がけた商品が『ウコンの力』。
一度、頓挫しかけていた企画だったが、この企画に可能性を感じ、何とかこれを形にしたいと社内各部署を説いて回った。しかし、答えはNO。
何で、企画にGOサインが出ないんだ。相馬の心中にいら立ちが募った。
何とか、この企画を形にしたい。そう考えた相馬は、お取引先の原料メーカー様に協力を依頼し、何度も試作を繰り返した。それを使い、お客様がどんな味を好むのかの調査を開始した。さらに大手流通業者様にもアドバイスをいただき、『ウコンの力』がいかに可能性を秘めた商品であるか、再度企画にまとめ社内に諮った。

相馬をそこまで突き動かしたものは、何だったのか。
商品の魅力は、もちろんだろう。また当時、健康食品部内(現:健康食品事業部)で好調だった食品部門に対して、飲料部門の主力商品は『六甲のおいしい水(現在はアサヒ飲料様へ事業譲渡)』だけであり、主力部門ではなかった。
"ヒットを飛ばしてやりたい"という野心のようなものが、相馬たちの心の中にあったかもしれない。
また、2001年に国内ではじめてBSEの症例が発覚し、その後の"産地偽装問題"などと相まって食品市場に打撃が与えられており、ハウス食品にも少なからず影響が出ていたことも、無縁ではないだろう。この状況を、打破したい。その思いが、相馬を動かしたのではなかったか。
ともかく、相馬の入魂の企画は再度提出され、ほどなくGOサインが出た。喜びに浸ったのもつかの間、翌年の発売に向け、急ピッチな商品開発を推進したのだった。

相馬 修 マーケティング本部 健康食品事業部 ブランドマーケティングマネージャー


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ウコンはそのままでは、苦くてにおいがきつい

片倉 一樹 マーケティング本部 健康食品事業部 チームマネージャー

片倉 一樹 マーケティング本部 健康食品事業部 チームマネージャー

ウコンが持つ有用性はそのままに、しかしウコンの飲みやすさを改善したい。『ウコンの力』の商品化は、"二律背反する要望を両立させる"というべき極めて困難なものへの挑戦だった。
それでも、研究所、相馬たち企画・開発セクション、そして営業セクションが議論を交わし、アイディアをぶつけ合いながら、商品化は力強く進んでいった。
ハウス食品では初の試みとなる臨床試験も行った。ウコンの色素成分であるクルクミンがどれだけ含まれていれば、期待通りの効果が出るのか確かめるためだ。

いくつかの難関を超え、商品化にめどが立った。
いよいよパッケージのデザインも完成し、商品化への最後の関門・社長をはじめとした経営陣へのプレゼンの日がやってきた。
派手な金色のボトル、『ウコンの力』という商品名、その力強い商品名のロゴ。
長年、主婦など女性をターゲットの中心においてきた同社のイメージからするとまったく異例づくめの商品が、会議の場に出された。
当初、社内の評価は正直芳しくなかったが、粘り強く何度も答申すると「そこまで言うならやってみろ。」と最終的には商品化へのGOサインが出された。
100%の納得で承認が得られたわけではないものの、相馬たちはとにかく結果を手にすることが出来た。ここから、『ウコンの力』の快進撃が、始まるのである。


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かくして、2004年5月「ウコンの力」が発売。

現在、ハウス商品の販売先の新規チャネル開拓に従事している井上は、新商品『ウコンの力』の発売を当時所属していた広島の営業所で知った。
金ピカデザイン、野太い商品名のロゴ。「おや、うちの会社もずいぶん思い切ったことをやるんだな」と率直に思い、売り場をどうやっておさえるかがポイントと感じた。

福岡・博多。
酒豪が多いとされる九州の一大歓楽街・中洲をエリア内に抱える、福岡支店。
『ウコンの力』の可能性にいち早く気付いたこの支店では、支店あげての取り組みを行った。それは、繁華街ローラー作戦。支店長以下全社員がエリア内繁華街でサンプリングを実施し、全てのコンビニエンスストア・全てのドラッグストアに手分けして足を運び、必ずウコンの力が置いてあるという状況を作ったのだ。
さすがは九州、『ウコンの力』のなんたるかはすぐに理解され、売上も目に見えて上がっていた。この結果は、相馬たち本社の人間を強く勇気づけ、すぐに10万本単位の全国でのサンプリング作戦が決定された。(発売4年目には最大100万本サンプリングを実施)
そしてTVCMはもちろん、地下鉄構内での巨大オブジェや主要都市を走り回る『ウコンの力』プロモーショントラックなど、各種宣伝も相次いで決定・実行された。

ハウスらしからぬ商品であった為、主力商品の主戦場である量販店の評価はもちろんコンビニエンスストア・ドラッグストアでも、当初「本当に売れるの?」という反応だったが、定着していくにつれ、「なかなか売れてるね。」に変わり、ついには「きちんと店頭化すれば、この商品は確実に売れる!」と変わっていった。
『ウコンの力』はハウス食品の社員たちに、文字通り「力」をもたらしたのだった。
閉塞した状況を、社員が一体となってぶち破る力を。
固定観念や常識に、あきらめずに挑戦する力を。

井上 寿夫 東京支店 販売四部 流通―課長


中州の繁華街に設置されている巨大ボトル 地下鉄構内の柱を利用したオブジェ 主要都市を走り回るウコントラック 電車の側面を利用したプロモーション

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ハウス食品、100年近くの歴史の中でも、極めて型破りな魅力を放つ「ウコンの力」

相馬 修 マーケティング本部 健康食品事業部 ブランドマーケティングマネージャー
片倉 一樹 マーケティング本部 健康食品事業部 チームマネージャー
井上 寿夫 東京支店 販売四部 流通―課長

売上は計画を大幅に上回った初年度の17億円に始まり、2005年は43億、わずか2年半で累計出荷本数は1億本を突破した後も、2006年90億、2007年には127億と順調に伸びていった。

しかし、それ以上に大きな恩恵を、社内にもたらした。2005年からウコンの企画・開発セクションに合流し、今も『ウコンの力』をはじめとした力シリーズに関わる片倉は、それを良く知る立場だ。
ステンレスのキャップボトル、特徴的な形。ハウス食品が発売する健康飲料は、『ウコンの力』シリーズをはじめ『ニンニクの力』、『うるおい美率』、『メガシャキ』、『唐辛子の力』など、そのレパートリーを増やしている。
また競合企業との競争の中で、シチューミクスに用いている技術を駆使した携帯性に優れた顆粒タイプや女性の開発チームが担当し、女性向けに作られた『ウコンの力 カシスオレンジ味』。
ヘビーユーザーの方にお応えするための『ウコンの力 スーパー』などのバラエティを充実させ、フルライン化を進めている。
今や『ウコンの力』は健康食品事業をハウス食品の第二の柱まで成長させたのである。

また、販売チャネル開拓を担当する井上にとって、『ウコンの力』はお取引先様開拓のための武器のような商品だ。
例えば、料飲店。『ウコンの力』が発売されるまで、家庭向けの商品を料飲店ルートに提案に行くという発想がなかったという。あるいは、webチャネルなどもそうだ。
また『ウコンの力』で開拓したチャネルに、既存の主力商品を提案することも可能となった。何より、「その気になれば、いくらでも販売ルートはある。」と前向きな気持ちを営業現場にもたらしたことが大きいと、井上は考えている。

繰り返しになるが、カレーやシチューなどの加工食品を主力商品とし、スパイスを知り尽くしたハウス食品が、『ウコンの力』を商品化し、大ヒットさせたことは、単なる偶然ではない。
諦めずに頑張り続けた全ての社員の思いが、成功に導いたのだ。


※所属、役職は2011年12月時点

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